プロジェクトの背景

同社グループでビル開発・運営事業を手掛けるビル事業本部では、ビルを利用するお客様にハード面のみならず、ソフト面でも「安全・安心・快適」を感じていただくことをめざすことを示すインナーコンセプト「Human Building〜いつも、真ん中に人。~」を掲げています。
また、ビル事業に従事する全社員がHuman Buildingをより深く理解し、更なる取り組みにつなげられるよう、「私たち、そしてお客さまが『私のビル』と感じることのできるビル」を目標に、日々の仕事の中で大切にすべき5つのアクション(行動指針)を定め、実施しています。

「Human Building大会」は、さまざまな優秀事例を紹介・表彰する年に一度開催のイベント。好事例の共有やグループ社員同士の交流により、お客様の「安全・安心・快適」に繋がるより良い改善を目的としています。

長年、本イベントの実施を継続したことで、多くの社員がHuman Buildingの考えを「認知・理解・共感」までするようになっていました。同社では、今後はさらに「行動」にまでつなげていきたいという想いがありました。

プランニング

本映像では、Human Buildingの理念を体現しているとして表彰された事例と、それに関わったスタッフが発揮したHuman Building精神を描き起こすことで、東京建物グループ・ビル事業に所属する全社員に、理念浸透を目指しました。

オープニング映像では、社長自らが会社理念や長期ビジョンに対する想いを説明して、社員一人ひとりが改めて本大会の意義を見つめ直すことができる内容にしました。

東京建物株式会社様1揚羽支援実績

各受賞事例の映像を制作するにあたり、ヒアリングシートの作成と事前インタビューを実施。
対象者のバックグラウンド、行動の核となる動機、性質までを深堀りすることで、質の高い言葉やスタッフの想いを引き出しました。
表面的にプロジェクトや想いを語るのではなく、感情のこもった声を乗せることで、見た人々の心をより動かす演出にしています。

受賞事例1本目のオフィスビルの映像は、テナントとビル管理スタッフ、人と人とのつながりが生み出す信頼関係・絆をテーマに描きました。本事例はセンシティブな内容を含むため、内容として描くべきか検討を重ねる中、Human Buildingを浸透させることがプロジェクトの本質であるということに立ち返り、ありのままを伝える構成としました。

東京建物株式会社様2揚羽支援実績

受賞事例2本目の複合施設の映像では、コロナ禍の逆風を活かし、テナントにこれまでになかった新たな価値を提供したスタッフのプロジェクトを取り上げました。本事例の物件は竣工以来、高い防災対応力が評価されてきましたが、コロナ禍の影響により、集合形式の消防訓練が制限されていました。そんな中、スタッフたちがお客様の立場になり、安全と安心の本質に立ち返り、今までにない新たな防災訓練のアイデアを形にし、テナントから非常に高い評価を得た事例でした。スタッフの想いとともに、実際のテナントからの声も伝えることで、Human Buildingを体現していることを伝えました。

東京建物株式会社様3揚羽支援実績

過去の受賞事例は、事故が起こった後にいかに迅速かつ適切に対応したかという点で評価されるケースが多い中、受賞事例3本目のオフィスビル映像では、大事故を未然に防いだスタッフのプロジェクトストーリーを描きました。
ビル内のトラブルではなく、管理管轄外設備に起因した不具合も見逃さず、チームワークを発揮し、適切に対応することでお客様に安全・安心を届け、Human Buildingの理念を体現していることを訴求しました。

東京建物様4揚羽支援実績

エンディング映像では、手書きメッセージを通して部署を越え、人から人へ感謝の気持ちを伝えることで、東京建物グループ・ビル事業全体でHuman Buildingに対する一体感を醸成させ、大会全体を締めくくるような内容としました。

東京建物様5揚羽支援実績

アウトプット

各受賞事例の映像は、再生時間に制限がありました。ボリュームのある内容から、Human Buildingの想いを伝え、社員の行動に繋げるという目的を達成する上で、本質的に必要な要素を見極め抽出し、誰が見てもわかりやすく飽きのこないテンポ感を意識しました。
また、音楽演出も、無音の演出や音楽導入のタイミングを1コンマ単位で検討し、細部までこだわっています。

成果

今回の映像は、イベント当日だけでなく、社内イントラでも受賞映像が配信され、東京建物グループのビル事業に携わる社員が視聴。視聴後のアンケートでは、各受賞事例に対して97%以上の共感度を得られました。
また、受賞映像を視聴して、「ビルの満足度を向上させるには人にしかできないサービスが重要」「コロナ禍=必要最小限に行動を納める発想をしてしまっていた自分を改めたい」「未然防止の観点がグループに根付いてほしい」など、日々の行動につながるようなさまざま意見が寄せられました。